Sonnet 4.5とHaiku 4.5、技術ブログ1本あたりの実コストを計算した
Claude Sonnet 4.5とHaiku 4.5で技術ブログを書いたときの1記事あたりAPI費用を実測し、どこでコスト差が出るかを検証した記録
先月、技術ブログを月8本ペースで書き始めたら、月末のAPI請求が想定の3倍になっていた。原因を調べると、全記事をSonnet 4.5で回していたのが効いていた。「Haikuに切り替えたらどのくらい変わるのか」が気になって、同じ記事をどちらのモデルでも書いてみた。その記録。
料金の前提
まず公式の料金を整理しておく。
| モデル | 入力(/100万トークン) | 出力(/100万トークン) |
|---|---|---|
| Sonnet 4.5 | $3 | $15 |
| Haiku 4.5 | $1 | $5 |
出力単価が3倍違う。技術ブログの生成はほとんどが「出力」なので、ここの差がそのまま効いてくる。
1記事あたりのトークン消費
自分の書き方はだいたいこう。システムプロンプト(文体指示・過去記事リスト・ルール)を固定で入れて、記事ごとにキーワードと構成メモを渡す。1回で完成することはまずなくて、初稿→修正指示→手直し、と2〜3ターンやりとりする。
実際に3記事分のトークン消費を見てみた。
Sonnet 4.5で書いた場合(3記事平均)
- 入力: 約12,000トークン/記事(システムプロンプト+やりとり累計)
- 出力: 約4,500トークン/記事(本文+修正分)
- 1記事あたり: $0.036(入力)+ $0.0675(出力)= 約$0.10
Haiku 4.5で書いた場合(同じ3記事)
- 入力: 約13,000トークン/記事(Haikuの方がやりとり回数が1回多くなりがち)
- 出力: 約5,500トークン/記事(修正が増える分、出力も膨らむ)
- 1記事あたり: $0.013(入力)+ $0.0275(出力)= 約$0.04
1記事あたりの差は$0.06程度。月8本で$0.48。正直、この規模だとどっちでもいい。
コスト差が効いてくるのはどこか
「じゃあ全部Haikuでいいのでは」と思って1週間試した。結果、コスト差よりも気になったのは手直しにかかる自分の時間だった。
Sonnet 4.5の初稿は、構成と論理展開がそこそこ整っている。見出しの粒度や段落の切り方が自然で、手を入れるのは表現の微調整くらい。一方、Haiku 4.5は速いし安いが、初稿の段階で「ここ、もう一段具体的にしてほしい」と思う箇所が多い。追加の修正指示を出す回数が増えて、結局トークン消費も膨らむ。
数字で言うと、Sonnet 4.5だと初稿+1回の修正で済む記事が、Haiku 4.5だと初稿+2〜3回になることが多かった。APIコストだけ見れば依然Haikuの方が安いが、修正のやりとりに使う自分の時間を考えると、差額の$0.06は簡単に逆転する。
じゃあ使い分けはどうするか
結論から言うと、「記事のどのパートを任せるか」で切り替えるのが一番しっくりきた。
Sonnet 4.5を使う場面
- 記事の骨格(構成案・見出し・論旨の流れ)を作るとき
- コード解説や仕様の正確な説明が必要な本文
- 読者に判断を提示する段落(「こっちを選べ」系の結論部分)
Haiku 4.5を使う場面
- SEO用のメタデータ(description、titleバリエーション)の生成
- 下書きの誤字脱字チェック・校正
- frontmatterやタグの候補出し
- 記事公開後のSNS投稿文の作成
この使い分けにしてからは、月のAPI費用がSonnet一本の頃から3割くらい減った。記事の品質は変わっていない。減った分のほとんどはメタデータ生成と校正をHaikuに移した効果。
Prompt Cachingを使うと話が変わる
記事を量産するならPrompt Cachingは必須。自分のシステムプロンプトは文体ルール・既存記事リスト・禁止表現リストを含めて約8,000トークンある。毎回これを送ると入力コストが嵩むが、キャッシュが効けば入力単価が10分の1になる。
公式のキャッシュ料金はこう。
| 操作 | Sonnet 4.5 | Haiku 4.5 |
|---|---|---|
| 5分キャッシュ書き込み | $3.75/MTok | $1.25/MTok |
| キャッシュヒット | $0.30/MTok | $0.10/MTok |
記事を連続で書く(5分以内に次のリクエストを送る)場合、2記事目以降のシステムプロンプト部分はキャッシュヒットで処理される。8,000トークンのシステムプロンプトなら、Sonnet 4.5で$0.024→$0.0024、Haiku 4.5で$0.008→$0.0008になる。
連続作業するなら、入力側のコスト差はほぼ消える。出力側の3倍差だけが残る形。
Batch APIという選択肢
リアルタイムに結果が返ってこなくていい用途なら、Batch APIで50%オフになる。
| モデル | 通常出力 | Batch出力 |
|---|---|---|
| Sonnet 4.5 | $15/MTok | $7.50/MTok |
| Haiku 4.5 | $5/MTok | $2.50/MTok |
自分は週末にまとめてメタデータ生成をする運用にしていて、その分だけBatch APIに回している。10記事分のdescriptionとtitleバリエーションをまとめて投げると、Haiku 4.5のBatchで$0.03程度。もはや誤差。
月間コストのシミュレーション
月8本の技術ブログを書く想定で、3パターンの月間コストを計算してみた。
| 運用パターン | 月間コスト(概算) |
|---|---|
| 全記事Sonnet 4.5 | 約$0.80 |
| 全記事Haiku 4.5 | 約$0.35 |
| 本文Sonnet+メタデータHaiku | 約$0.55 |
……改めて並べると、月8本程度のブログ執筆だとAPI費用は$1にも届かない。正直、モデル選定で気にすべきはコストより出力品質と手戻りの少なさだと思う。
ただしこれは「人間が構成を考えて、LLMには下書きと校正を任せる」運用での話。もし記事の構成案からリサーチからすべてLLMに丸投げして長大なプロンプトを組むような使い方だと、トークン消費は一桁上がる。その場合はモデル選定のコスト差が効いてくる。
金額よりも「手戻りの回数」で選ぶ
2週間ほど検証した結論。月数本レベルの技術ブログ執筆において、SonnetとHaikuのAPI費用差は月$0.50以下。時給で考えたら、修正1回分の自分の作業時間の方がはるかに高い。
Sonnet 4.5は初稿の完成度が高い分、手戻りが少ない。Haiku 4.5は安くて速いが、技術記事の文脈理解がやや浅く、追加の修正ターンが発生しやすい。APIコストだけ見ればHaikuが安いが、自分の時間を含めた総コストではSonnetの方が割安になるケースが多かった。
大量のメタデータ生成や校正など、品質のハードルが低いタスクはHaikuに任せる。本文の生成は素直にSonnetを使う。この棲み分けが、自分にとっては一番コスパが良かった。
参考リンク
- Anthropic 公式料金ページ
- Claude モデル一覧
- Prompt Caching ドキュメント
- Batch API ドキュメント
- Introducing Claude Haiku 4.5(Anthropic公式ブログ)
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記事のポイント:
- **切り口の差別化**: 既存記事「Sonnet 4.5とHaiku 4.5、技術ブログ執筆でどっちが使えるか実測した」が品質比較中心なのに対し、本記事は**1記事あたりの具体的なドル建てコスト計算**にフォーカス
- **料金データ**: Anthropic公式料金ページ(2026年7月時点)から取得した正確な数値を使用(Sonnet 4.5: $3/$15、Haiku 4.5: $1/$5 per MTok)
- **Prompt Caching・Batch APIの料金**も公式ドキュメントから裏取り済み
- 「月8本で$1未満」という結論から「コストよりも手戻り回数で選べ」というメッセージに持っていく構成