技術ブログ1本の裏に何回APIを叩いているか、HaikuとSonnetで数えた
技術ブログを仕上げるまでのAPI呼び出し回数と積み上げコストを、Haiku 4.5とSonnet 4.5で実測比較した記録
1本の記事に何回APIを叩いているか
技術ブログの執筆にClaude APIを使っている。「1記事あたりのコスト」は料金表から計算できるが、実際にはそんな単純な話ではなかった。
1本の記事を公開するまでに、自分の場合こんなステップを踏んでいる。
- キーワードと構成案の生成(1回)
- 本文の下書き生成(1回)
- 下書きの修正指示 → 再生成(2〜4回)
- コードサンプルの動作確認用コード生成(1〜2回)
- タイトル・description・OGP文の生成(1回)
- 最終チェック:誤字・事実確認の指摘出し(1回)
合計で 7〜10回のAPI呼び出し。「1回の生成コスト × 1」で見積もると、実際の請求と合わない。この積み上げが、HaikuとSonnetでどう違うかを記録した。
Haiku 4.5 の場合:安いが手戻りが多い
Haiku 4.5の料金はインプット$1/MTok、アウトプット$5/MTok。Sonnet 4.5の3分の1。安い。
ただし、技術記事を書かせると修正ループが増える。自分の環境で3記事ぶん試した感触はこうだった。
- 構成案は問題ない。キーワードを渡せばそれらしい見出しを返してくる
- 本文の下書きで「一般論の羅列」になりやすい。自分の体験を混ぜる指示を出しても、2回目の修正でようやく馴染む
- コード生成は概ね正確だが、エッジケースの処理が抜けることがある。追加で1回指示が必要になるパターンが多かった
- SEOメタデータの生成は得意。ここはSonnetとほぼ差がない
結果、1記事あたりの呼び出し回数は 9〜12回 になった。
トークン消費量を雑に集計すると、1記事あたりインプットが合計で5万〜7万トークン、アウトプットが合計で1.5万〜2万トークン程度。毎回の会話にシステムプロンプトや過去のやりとりを含めるので、後半のターンほどインプットが膨らむ。
計算するとこうなる。
| 項目 | トークン数 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| インプット合計 | 約60,000 | $1/MTok | $0.06 |
| アウトプット合計 | 約18,000 | $5/MTok | $0.09 |
| 合計 | 約$0.15 |
日本円で20円ちょっと。安い。ただしこれは「手直しの人間側の工数」を含んでいない。
Sonnet 4.5 の場合:高いがループが少ない
Sonnet 4.5はインプット$3/MTok、アウトプット$15/MTok。Haikuの3倍。
同じ3記事をSonnetで書いた。
- 構成案の質がやや高い。見出しの粒度が揃っていて、手直しなしでそのまま使えることが多かった
- 本文は1回目の下書きで「このまま出せるか?」と思えるレベル。修正は1回、多くて2回で済んだ
- コードの正確さも一段上。エッジケースまで拾ってくれることが多く、追加の修正指示がほぼ不要だった
1記事あたりの呼び出し回数は 6〜8回。
| 項目 | トークン数 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| インプット合計 | 約45,000 | $3/MTok | $0.135 |
| アウトプット合計 | 約12,000 | $15/MTok | $0.18 |
| 合計 | 約$0.32 |
日本円で50円弱。Haikuの倍。
料金差より効いたのは「人間の時間」だった
3記事ずつ、計6記事を書いた感想として、API費用の差は正直どうでもいい金額だった。1記事あたり15円か50円かの違い。月に20本書いても差額は700円程度。
問題は人間側の時間。
Haikuで書くと、下書きを読んで「ここ違う」「もっと具体的に」と修正指示を考える時間が積み上がる。体感でSonnetより1記事あたり20〜30分は多くかかった。APIに支払う金額が半分でも、自分の時間を時給換算したら完全に逆転する。
ただし、これはあくまで「文章の品質に自分の基準がある場合」の話。たとえばSEOメタデータの一括生成や、既存記事のリライト案出しのように「出力をそのまま使える」タスクなら、Haikuで十分だし、コスト差が効いてくる。
Prompt Cachingを使うとどうなるか
会話が長くなるとインプットトークンが膨らむ。ここでPrompt Cachingが効く。
Anthropicの公式料金によると、キャッシュヒット時のインプットコストは通常の10分の1。5分キャッシュの書き込みは1.25倍だが、同じシステムプロンプトで連続して記事を書くなら2本目以降はキャッシュが効く。
自分の場合、システムプロンプト(執筆ルール・トーン指定・既存記事リスト)が約4,000トークンある。これがキャッシュに乗ると、Sonnetなら1記事あたりのインプットコストが$0.01〜0.02は下がる。Haikuだとそもそもインプットが安いので、キャッシュの恩恵は小さい。
Batch APIも50%オフだが、ブログ執筆は対話的なので使いどころがない。構成案を10本まとめて出すようなケースなら使えるかもしれないが、自分はまだ試していない。
結局どう使い分けているか
今の自分の使い分けはこう落ち着いた。
- 本文の執筆・リライト: Sonnet 4.5。修正ループが減るぶん、トータルでは安い
- SEOメタデータ・タグ・descriptionの生成: Haiku 4.5。出力が短く、品質差が出にくい
- 校正・誤字チェック: Haiku 4.5。指摘を出すだけなので十分
この使い分けにしてから、1記事あたりのAPI費用はだいたい$0.20〜0.25に落ち着いている。30円前後。月20本書いても600円。コーヒー1杯ぶん。
API費用の最適化に時間を使うくらいなら、記事の中身を良くすることに使ったほうがいい。ただ、「自分が何にいくら払っているか」を一度ちゃんと数えておくのは無駄ではなかった。