Haiku 4.5と4o mini、技術ブログ運用の月額APIコストを実測で比べた
Claude Haiku 4.5とGPT-4o miniで技術ブログの執筆補助パイプラインを1ヶ月回し、実際のAPI費用を比較した記録
6月の請求を並べて眺めたとき、ふと気になった。技術ブログの下書き生成やメタデータ作成に使っている「安いほう」のモデル——Claude Haiku 4.5とGPT-4o mini——で、月のAPI費用にどれくらい差が出ているのか。
自分はブログ運用のパイプラインを両方のAPIで組んでいる。記事の構成案出し、本文ドラフト、descriptionとタイトルの候補生成、校正。月に8〜12本の記事をこのフローで回している。片方だけに寄せたほうが管理は楽だけど、どちらに寄せるべきかの判断材料がなかった。
料金表だけ見ると4o miniが圧倒的に安い
まず公式料金の比較から。
| Claude Haiku 4.5 | GPT-4o mini | |
|---|---|---|
| 入力 | $1.00 / 1M tokens | $0.15 / 1M tokens |
| 出力 | $5.00 / 1M tokens | $0.60 / 1M tokens |
| キャッシュ読み取り | $0.10 / 1M tokens | $0.075 / 1M tokens |
| キャッシュ書き込み | $1.25 / 1M tokens | — (自動) |
| Batch API | 50%オフ | 50%オフ |
入力で約6.7倍、出力で約8.3倍。表だけ見ればGPT-4o miniの圧勝で、比較するまでもない——はずだった。
実際に1ヶ月回した構成
自分のブログ運用パイプラインはこうなっている。
- 構成案生成: キーワードとメモを渡して見出し構成を出す(入力多め、出力少なめ)
- 本文ドラフト: 構成案+参考情報を渡してMarkdownで下書きを生成(入力・出力ともに多い)
- メタデータ生成: タイトル・description・OGP文の候補を複数出す(入力少なめ、出力少なめ)
- 校正: 下書きを渡して誤字・事実誤認・文体の揺れを指摘させる(入力多め、出力少なめ)
6月は10本の記事をこのフローで処理した。Haiku 4.5と4o miniの両方で同じプロンプトを投げ、それぞれのAPI費用をダッシュボードから集計した。
月額の実コスト
結果はこうなった。
| Haiku 4.5 | 4o mini | |
|---|---|---|
| 月間入力トークン(概算) | 約2.5M | 約3.2M |
| 月間出力トークン(概算) | 約1.8M | 約2.4M |
| 月額API費用 | 約$11.50 | 約$2.00 |
4o miniのほうがトークン数が多いのは、同じ内容を生成させるのに出力が冗長になりがちだったから。体感で2〜3割は多くトークンを使う。それでも単価の差が大きすぎて、月額では5倍以上の開きになった。
Prompt Cachingを効かせた場合は、Haiku側は構成案と校正のフェーズでシステムプロンプトのキャッシュが効いて、入力コストがざっくり半分くらいに縮む。それでも$7〜8程度で、4o miniの$2には届かない。
じゃあ4o miniに寄せればいいのか
コストだけなら迷う余地はない。ただ、1ヶ月使い比べて気づいた差がいくつかある。
構成案の質。キーワードから見出し構成を出すタスクでは、正直どちらもそこそこ。ただしHaiku 4.5のほうが「ありがちな構成」に流されにくい印象はあった。4o miniは「〜とは」「メリット・デメリット」のような定型見出しに落ちやすい。
校正の精度。これは差が出た。Haiku 4.5は文脈を踏まえた指摘ができる場面が多く、「ここの数値、前の段落と矛盾している」のような構造的な問題を拾える。4o miniはtypoや表記ゆれは拾うが、論理的な矛盾はスルーすることが目立った。
本文ドラフト。ここは用途次第。どちらのモデルも「そのまま公開できる品質」のドラフトは出さない。あくまで叩き台であって、自分で大幅に書き直す前提で使っている。その叩き台としては大きな差は感じなかった。
コンテキスト長。Haiku 4.5は200K、4o miniは128K。長い参考資料を丸ごと食わせるときにこの差が効く場面がたまにある。ただ、ブログ記事の執筆補助で128Kを超えるケースは実際にはほぼなかった。
自分の結論:タスクで分ける
結局、全部を片方に寄せるのはやめた。
- 構成案・本文ドラフト・メタデータ生成 → 4o mini。ここは量をこなすフェーズで、コストが効く。出力が多少冗長でも、どうせ書き直すから問題ない
- 校正 → Haiku 4.5。ここだけは精度が欲しい。校正フェーズは入力が多く出力が少ないので、コスト的にもHaikuの入力単価の高さがそこまで痛くない
この分け方にしたら、月額はだいたい$3〜4に落ち着いた。全部Haikuで回すよりざっくり3分の1。
Batch APIを使えるタスク(メタデータの一括生成など)はさらに半額になるが、即時性が要らないフェーズに限られるので、月に数十セント程度の節約にしかならなかった。
料金表の「倍率」に惑わされない
入力単価6.7倍、出力単価8.3倍という数字はインパクトがあるが、個人ブログ規模だとどちらも月数ドルの話に収まる。年間で見ても差額は$100前後。その$100で校正の質が上がるなら、全部4o miniに寄せるメリットはあまりない。
逆に、APIを大量に回すプロダクション用途——たとえば数百記事のメタデータを一括生成するようなケース——なら、4o miniのBatch APIで回すのが合理的。単価の差が効いてくるのは月間トークン消費が数十M〜数百Mの規模から。
月10本程度のブログ運用なら、「安い方に全振り」より「タスクの性質で分ける」ほうが、費用対効果は良かった。