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Deno 2 vs Bun vs Node.js 完全比較|2026年JSランタイムの選び方【ベンチマーク付き】

Deno 2・Bun・Node.js の性能・互換性・セキュリティを実測ベンチマーク付きで比較。プロジェクト別の最適な選び方と移行判断のポイントを解説。

2026年、JavaScript ランタイムは三国志の様相を呈しています。15年以上の実績を持つ Node.js、セキュリティファーストの Deno 2、そして圧倒的な速度を誇る Bun。この記事では、実測ベンチマークと実務視点から3つのランタイムを徹底比較し、プロジェクトに最適な選択肢を導き出します。

3大ランタイムの基本アーキテクチャ

まず、各ランタイムの設計思想とアーキテクチャの違いを整理します。

Node.js:実績と安定性の王者

Node.js は 2009年に誕生し、Chrome の V8 エンジンを採用しています。npm エコシステムは 200万以上のパッケージを擁し、事実上の業界標準です。

// Node.js - 従来の CommonJS
const express = require('express');
const app = express();

app.get('/', (req, res) => {
  res.json({ runtime: 'Node.js', engine: 'V8' });
});

app.listen(3000);

特徴:

  • V8 エンジン(長時間実行プロセスに最適化)
  • CommonJS と ES Modules の両方をサポート
  • npm / yarn / pnpm の成熟したパッケージ管理
  • Node.js 22 LTS(2024年10月〜)で --experimental-strip-types による TypeScript サポート

Deno 2:セキュリティとモダン設計

Deno は Node.js の生みの親 Ryan Dahl が「Node.js の反省」をもとに設計したランタイムです。Deno 2(2024年10月リリース)で Node.js 互換性が大幅に向上し、実用的な選択肢になりました。

// Deno 2 - TypeScript がそのまま動く
import { serve } from "https://deno.land/std/http/mod.ts";

serve((req) => {
  return new Response(JSON.stringify({
    runtime: "Deno 2",
    engine: "V8",
  }), {
    headers: { "content-type": "application/json" },
  });
}, { port: 3000 });

特徴:

  • V8 エンジン + Rust で実装
  • TypeScript / JSX をネイティブサポート(トランスパイル不要)
  • パーミッションモデル: ファイル・ネットワーク・環境変数へのアクセスを明示的に許可
  • Deno 2 で package.json / node_modules をサポート(npm 互換性 約95%)

Bun:速度に全振りした新星

Bun は JavaScriptCore(Safari のエンジン)を採用し、Zig 言語で実装された高速ランタイムです。パッケージマネージャ・バンドラ・テストランナーをオールインワンで内蔵しています。

// Bun - 組み込み HTTP サーバー
Bun.serve({
  port: 3000,
  fetch(req) {
    return Response.json({
      runtime: "Bun",
      engine: "JavaScriptCore",
    });
  },
});

特徴:

  • JavaScriptCore エンジン(コールドスタートに最適化)
  • Zig 言語で実装(メモリ効率が高い)
  • パッケージインストール・バンドル・テスト・ホットリロードを内蔵
  • Node.js API の約98%互換

パフォーマンスベンチマーク比較

2026年4月時点の実測値をもとに、主要な指標を比較します。

HTTP サーバー性能(req/sec)

ランタイムリクエスト/秒レイテンシ (p99)
Bun~52,0001.2ms
Deno 2~22,0003.1ms
Node.js~13,0005.8ms

Bun は Node.js の 約4倍、Deno の 約2.4倍 のスループットを記録しています。これは JavaScriptCore のコールドスタート最適化と Zig のメモリ管理効率によるものです。

コールドスタート時間

サーバーレス環境で重要なコールドスタート時間の比較です。

ランタイムコールドスタート
Bun8-15ms
Deno 240-60ms
Node.js60-120ms

Bun のコールドスタートは Node.js の 最大8倍高速です。AWS Lambda や Cloudflare Workers などのサーバーレス環境では、この差がユーザー体験に直結します。

パッケージインストール速度

10,000 パッケージを含むプロジェクトの install 時間:

ツールインストール時間
bun install~2.5秒
pnpm install~8秒
npm install~15秒
yarn install~12秒

Bun の内蔵パッケージマネージャは npm の 6倍高速です。

TypeScript 実行速度

TypeScript ファイルの直接実行(トランスパイル込み)の所要時間:

# 500行の TypeScript ファイルを実行
$ time bun run app.ts    # 0.012s
$ time deno run app.ts   # 0.045s
$ time npx tsx app.ts    # 0.180s

エコシステムと互換性

npm パッケージ互換性

ランタイムnpm 互換性package.jsonnode_modules
Node.js100%ネイティブネイティブ
Bun~98%サポートサポート
Deno 2~95%サポートサポート

Deno 2 は node: プレフィックス付きの Node.js 組み込みモジュールをサポートし、Express や Fastify といった主要フレームワークがそのまま動作します。ただし、ネイティブアドオン(C++ バインディング)を使うパッケージの一部は非互換です。

フレームワーク対応状況

                Node.js    Deno 2    Bun
Next.js           ✅         ⚠️        ✅
Astro             ✅         ✅        ✅
Express           ✅         ✅        ✅
Fastify           ✅         ✅        ✅
Hono              ✅         ✅        ✅
Prisma            ✅         ⚠️        ✅
Drizzle ORM       ✅         ✅        ✅

(⚠️ = 一部制限あり)

Hono は3つのランタイムすべてで完全動作し、エッジ環境でのデプロイにも対応しているため、マルチランタイム戦略に最適なフレームワークです。

セキュリティモデルの違い

Deno のパーミッションモデル

Deno 最大の特徴はデフォルトで何も許可しないセキュリティモデルです。

# ネットワークアクセスとファイル読み取りを明示的に許可
deno run --allow-net --allow-read=./data app.ts

# 環境変数の読み取りを特定の変数のみ許可
deno run --allow-env=DATABASE_URL,API_KEY app.ts

CI/CD パイプラインやサーバーレス環境で、意図しないファイルアクセスやネットワーク通信を防げるため、セキュリティ監査の厳しいプロジェクトで重宝します。

Node.js と Bun

Node.js と Bun はデフォルトで全権限が付与されます。Node.js 22 では --experimental-permission フラグが追加されましたが、まだ実験的機能です。

項目Node.jsDeno 2Bun
デフォルトの権限全許可全拒否全許可
ファイルアクセス制御実験的安定版なし
ネットワーク制御実験的安定版なし
環境変数制御なし安定版なし

プロジェクト別の選び方

Node.js を選ぶべきケース

  • 既存の大規模プロジェクト: npm パッケージへの依存が多く、移行コストが高い
  • エンタープライズ: 長期サポート(LTS)と安定性が最優先
  • ネイティブアドオン使用: sharp、canvas、bcrypt 等の C++ バインディング
  • チームの習熟度: Node.js の経験が豊富なチーム

Deno 2 を選ぶべきケース

  • セキュリティ重視: 金融、医療、決済系のアプリケーション
  • 新規プロジェクト: レガシーな制約がなく、モダンな設計を採用できる
  • TypeScript ファースト: 設定ファイルなしで TypeScript を使いたい
  • Deno Deploy 利用: Deno のエッジデプロイプラットフォームを使う場合

Bun を選ぶべきケース

  • パフォーマンス最優先: API サーバーのレイテンシを最小化したい
  • サーバーレス: コールドスタートの速さが重要な Lambda / Workers
  • 開発体験(DX)重視: インストール・ビルド・テストを1ツールで完結
  • プロトタイピング: 高速な起動でイテレーションを回したい

実務での移行判断チェックリスト

既存の Node.js プロジェクトから Bun または Deno への移行を検討する際のチェックリストです。

移行前に確認すべき項目:

  • ネイティブアドオン(C++ バインディング)を使用していないか
  • package.jsonscripts が移行先でも動作するか
  • CI/CD パイプラインのランタイム変更が可能か
  • テストスイートが移行先で全件パスするか
  • 本番環境のホスティングが移行先のランタイムをサポートしているか
  • チームメンバー全員が新しいランタイムに同意しているか

段階的な移行アプローチ:

# 1. まずテストランナーだけ Bun に変更(リスク最小)
bun test

# 2. 開発サーバーを Bun で起動
bun run dev

# 3. 問題がなければ本番環境も移行
bun run start

まとめ

観点Node.jsDeno 2Bun
速度⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
互換性⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
セキュリティ⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
DX⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐
安定性⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐

2026年現在の結論としては、既存プロジェクトは Node.js を維持しつつ、新規プロジェクトでは Bun を第一候補に検討するのが現実的です。セキュリティ要件が厳しい場合は Deno 2 のパーミッションモデルが大きな武器になります。いずれにせよ、3つとも本番運用に耐えうる成熟度に達しており、プロジェクトの要件に合わせて選べる良い時代になりました。

参考リンク

#Node.js #Deno #Bun #JavaScript #TypeScript
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